エリーのハードボイルド日記 祝其の肆拾
いつだって、一匹狼だった。
1対9でも間違いじゃないことだってあったし、1対9でも負けない自信があった。
例えば、本当の正しさから目を反らして迎合するのは愚かで、むしろそうすることでしか生きられない人を不憫だと思ったこともあった。
彼らはそこで大多数であることに安心していたからだ。
「正しさ」を「逸脱しないこと」だけに執着しているようにも思えた。
ここで強調しておきたいのは、「逸脱しないこと」「迎合すること」を俺は否定する訳ではない。
事実、俺は逸脱し過ぎず何とかやってきたし、仲間だっている。
けれど、逸脱した者を切り離して考えないし、仲間の中にいても間違いは指摘する。
今そこにある「正しさ」と言われるものに対して、「本当にそうか?」と常に考え葛藤しながら生きている。
そうしながら俺は、CDのジャケットを並べている。
並べていることで、不思議と部屋が色づき、無機質な空間が有意義なものに変わることもあるのだ。
そう。俺は多くの人に「強さ」を持って欲しいと願う。
自分が他人と乖離していると感じるならば、それも「自分らしさ」と認めてもいいだろう。
そこに優越感も劣等感も必要ないのではないか、もしくはどっちも持ってていいのではないか。
「強さ」についてはまた改めて語るとしよう。
…おっと。ヤツが起きてきた。
…ちょっと待ってろ。
…え?まだ寝ないのか?
…おう。もうこんな時間か。
もう少ししたら寝るとするかな。
…え?「寝るとするかな。」じゃねえ?
…え?迷惑?物音が?…灯りが?
…え?これ?…ええ、見ての通り昔ジャケ買いしたCDです。
殺風景なここの棚に飾るとまぁオシャレじゃないですか?ちょっと思い付いてやってみたんですよ。
…え?…邪魔?…片付けろ?
…しかしですね…ええ、はい。いますくに。
…片付けて速攻で寝ます。
…はい。目にもとまらぬスピードで。やります!
エリーマイラヴ
男性/46歳/東京都/総帥(so sweet)
2017-04-08 00:32