お手々をつないで
40歳ぐらいの女性が
若いトイプーを放して散歩していました。
片側3車線の国道沿い。車がビュンビュン走っています。一度、轢かれたら、命は戻らない。ドライバーだって轢きたくはないでしょう。
歩道には子供さんを後ろにのせた自転車なんかも走っています。危ない。
世の中、犬嫌いも、アレルギーの人もいて『放された犬』など迷惑なだけでしょう。近づいたとたんに蹴飛ばされても、文句は言えませんよ。
『アメリカやドイツなら当たり前』という『へ理屈』もあります。
しかし、日本の犬に対する文化的意識は幼く、欧米人ほど家畜として割りきってもいません。日本には犬を放せるだけの素養も文化もありません。別に欧米が偉いとも思わないし。
『ドッグラン』てのに一度だけ行きましたけどね。そこら中にトラブルの種が転がってました。面倒くさがりのエゴしかなかった。あんなもんいらない、と僕は思います。
……なんで放さなきゃ気がすまないんだろう!
モモ家は家訓により
外でリードを放したことはありません。
広場や川原で遊ぶ時はロングにつけかえます。
リード=お出かけだー!、ロングリード=遊べる! そう学習していたから、モモちもリードをつけることが大好きでしたよ。
散歩の時はピタリと横に着けて、リードは常に最短に。アソビなく右手に巻き付けて持っていました。親の義務としてそのように訓練しました。
右手からは息づかいまで伝わってきます。
イケイケか、あまりノリ気じゃないか、止まって匂いを嗅ぎたいか、大型犬とスレ違ってビビってるか(笑)すべて右手に伝わってくる。
僕の方もほんのちょっとチェーンを鳴らすだけで意思をつたえます。「さぁ、少し走るか」「こら!ウソッコ座りしないでちゃんと座る!」とか。
訓練士の先生はこれを『ちゃんと、お手々つないでるね』と言っていました。初めて聞いた日は涙がでました。
もしも、
僕や大切な誰かが、放した犬に咬まれたら?
僕は保健所に通報するつもりでいます。
仏のような博愛などありません。
それくらいの覚悟なく犬とは暮らせない。
世の中
そういう偏屈もいると思っていただければ。
それでも良ければ放せばいい。
存在までは否定しません。
僕は僕で全力で自分と大切な誰かを守ります。
コーギモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2017-06-04 21:22