ぼくはどこに。
体を強く押され、家から追い出される。そして、尻もちをつく僕に一言。「お前はいらない」。玄関のドアはバタンと強く閉められ、ガチャンと鍵がかけられる。いくら入れてくれって言ったって、何回ノックしたって、このドアは一生開かない。家から追い出されたら試合終了。企業からの落選メールが届くたび、僕にはいつもこの光景が頭に浮かぶ。そして、次の家のドアをノックし、中に入る。うまく打ち解けたかなと思っても、何も言わずにただ玄関から追い出され「お前はいらない」と言われる。その次、そのまた次も。いったい、私を家族として受け入れてくれる家はあるのか。家族なんて贅沢言わないから、友達としてでも向かい入れてくれる家はないのか。僕は明日も、明後日も、自分を向かい入れてくれる家を探して、そのドアをノックする。「失礼します(どうか私を向かい入れて下さい)」と。
たーにゃ
男性/29歳/神奈川県/会社員
2017-06-05 17:40