優先順位
私は救命救急外来で働いています。
私達が仕事をする上で重要になってくるのは、優先順位です。
その優先順位とは緊急度・重症度の優先順位です。人の命の優先順位というと語弊があるかもしれないですが、救命救急の現場ではこの優先順位が大事になってきます。
喉が痛くて39度の熱がある患者と背中に裂けるような鈍い痛みがある患者、どちらを先に診察するかというと後者の背中の痛みがある患者です。背中の裂けるような痛みは動脈解離の症状でよくみられる症状なので、動脈解離を疑って背部痛の患者を先に診察します。重症な患者は救急車で来るイメージがありますが、鈍い背部痛だと平気で歩いて外来に来るケースがあるため、患者の症状やバイタルサインを良く把握し、救急外来に来た全ての患者の命を救うために、優先順位をつけさせてもらってます。(優先順位をつけることを医療用語でトリアージと言います)だから、救急外来に行くと自分より後に来た患者が先に診察するケースがあるんです。
因みに病気になった経緯や事故にあった理由は関係ありません。飲酒運転で事故を起こした人、自殺未遂で過量内服した人、自業自得な理由で搬送されてきた患者も、どんな理由であろうとも命の危険が迫っている場合は、先に診察されます。
私達医療の現場ではどんな理由があろうと、命は平等です。全ての命を救えるように、精一杯努めるのが私達の仕事です。
救急外来で待ち時間が長いのは申し訳ないですが、こういった理由があるのをご理解ください。
長文失礼しました。
snowdrop
女性/36歳/神奈川県/看護師
2017-06-14 22:06