忘れた頃にやってくる。
今日も救急外来で仕事でした。子供の来院が多かったです。
子供の受診で忘れた頃にやってくるのがタバコ誤飲です。
タバコ誤飲=ニコチン摂取になります。
タバコ1本あたりに含まれるニコチン量は幼児の致死量に達します。しかし、タバコの誤飲で死亡する例は稀です。何故ならば、タバコから強酸性の胃酸によってニコチンが溶け出すまで、時間を要するため、またニコチンには嘔吐を誘発させる作用があるので、体外にタバコが吐き出されるケースが多いからです。
しかし油断は禁物です。よく空き缶に水を入れて灰皿がわりにしている人いませんか?あとはタバコの火を消すために灰皿に水を入れている人はいませんか?ニコチンは水に溶け出しやすい性質があります。タバコを水に30分浸けるとほぼ100%に近いニコチンが溶け出すと言われています。そのため、タバコ自体よりもタバコが浸かっていた水を飲んだケースの方が重症化しやすいです。
ニコチン中毒の症状は嘔吐や腹痛等の軽い症状から、重症化すると呼吸困難、意識障害、全身の痙攣、呼吸停止が出現します。
もし、子供がタバコを誤飲した場合は、水分は絶対に摂らせないでください。水分摂取によりニコチンが溶け出すのを促進させてしまいます。速やかに病院を受診してください。
病院を受診するときに教えてほしいことがあります。①タバコ自体を誤飲したのかタバコが浸かった水を誤飲したのか②どのくらい摂取したか。タバコ自体を誤飲した場合何cm誤飲したか詳しく教えてください。③いつ誤飲したか。時間が分かる場合は時間を教えてください。
最低限この3つの情報は教えて頂きたいです。
少量の誤飲で症状がない場合は帰宅して経過観察になる事が多いですが、ニコチン中毒の症状が出ている場合は胃洗浄をする場合があります。
対策としては、子供の手の届くところにタバコや吸殻を置かない。特にジュースの空き缶に水を入れて灰皿代わりにしない事(子供がジュースだと思い飲んでしまう可能性があります。)が重要です。
皆さん気をつけましょう!
長文失礼しました。
snowdrop
女性/36歳/神奈川県/看護師
2017-06-25 21:01