夏のバイト事件簿 案件
あれは私の高校2年生の7月のこと
○ッ木の模擬テスト会という 中学3年生を対象とした全国17万人規模の業者テストがあり そのテスト監督をするというバイトでした。
私が通っていた高校がテスト会場で 男女の高校受験生が模擬テストに来ます。高校は男子高ですが その時は共学になったような華やかさがあって好きなバイトでした。笑
1年生から始めたので もう慣れてきた頃 ちょっとした事件が発生しました。コソコソ話し声が聞こえるのです。
観察していると ちょっとワルっぽいガタイのいい男子が何やらコソコソ喋っているのです。模擬テストでカンニングして少しばかり良い点を取っても本番には繋がらないので何のメリットも無いと思い 放置しようかと思ったんですが 他の受験生の立場で考えると 迷惑だろうと思い その生徒に
『今度話し声が聞こえたら 退場してもらいます』
と 意を決して宣言しました。ドキドキでした。
幸いその後は話し声が聞こえなくなりました。
次 話し声が聞こえたら どういう風に退場に持っていけば良いんだ?無理矢理退場させようとして抵抗されたら応援呼ぶのか?などとずっと考えていたから本当にホントにホッとしました。
そうして模擬テストは無事に終了しました。何人かの生徒達が帰り際に挨拶していきますが
『ありがとうございました』と複数の女生徒が言ってくれました。それまで『さようなら』の挨拶はありましたが 感謝の言葉を貰ったこのはあの時だけでした。
テスト中の話し声は集中を妨げ 女生徒たちは迷惑に思っていたのですね。バイトとは言え 見て見ぬふりを決め込まなくて良かったとつくづく思いました。
きゃさりん
女性/61歳/徳島県/会社員
2017-07-27 13:45