分水嶺
大空襲の日。
うちの親父が住む杉並にも爆撃はあったそうです。
「 杉並なんか田舎だし、軍需工場もないのによ。多分『余っちゃった!どーする?』『ここらに捨てよーぜ!』ってな、ことじゃねぇーか な。おかげでこっちは死にそうになったぜ! 」と、笑いながら話す父。
町内の壕に逃げるさなか、バーチャンが 「ご先祖様の位牌を持ってくるの忘れた!」と(笑)
親父に「取りに行ってきて」と。
そんなもん燃えたって、後で坊さんに書いてもらえばいいのにさ、とは親父の談ですが。
とにかく、マトモな判断もできない状態だったのでしょう。親父が位牌を取りに家に戻ると、家に入った瞬間にドカンバリバリ!と仏間の隣から物凄い音と衝撃がして、とにかく必死に位牌をつかんで家を飛び出し、火の手が上がるなかを壕までたどり着いた、と。
一夜あけて、焼け野原の中を家があった場所に戻ると、仏間の隣の例の部屋には 『 不発の焼夷弾 』が突き刺さっていたそうな。
あれが着弾と同時に炸裂していたら?
不発のままでも、仏間に直撃していたら?
モモは今、ここにおりません(*´∀`)
良い行いも、悪い行いも、バカも利口も、関係なく。だだ運が良かった。
なんと理不尽なタラレバか。
運が悪かった方々には申し訳なく、ただ、手を合わせて祈るのみである(-人-)
コーギモモ
男性/58歳/神奈川県/飲食業
2017-08-15 04:29